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人々とのコミュニケーションから始まり、彼らの生活の背景に適合した場所 |
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で、鏡に映る自分自身を見つめている人の写真を撮影するプロジェクト。 |
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外国人や移民の割合が高い都市であるベルリンに滞在した際に、様々な |
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国籍の人々に接し、自分も多くの異邦人の一人であることを意識するにつ |
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れて、私自身が何者であるのか確認したくなり、鏡を見つめたことが制作 |
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のきっかけになりました。 |
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鏡で自分の姿を見るとき、人は自分自身のことを観察します。 |
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そして客観的に自分を見るとともに、その時々でイメージに浮かぶ自分 |
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自身の虚構も同時に見ているのだと思います。 |
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鏡は現実と虚構を対峙させるツールであり、私たちは空間的に虚構である |
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鏡のフレームの中に自分を映し出すときに、現実に立っている実際の空間 |
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の中に自分が居るということをかえって意識したりもするのです。 |
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2005年から開始し、現在までドイツ、日本を中心に、エジプト、ルーマニア、 |
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トルコでも撮影しました。 |
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今後も機会を感じたときに、鏡を見ている人々の写真を撮ることによって、 |
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人が自分自身を確認するとともに、現実と虚構との関係に対峙する、日常 |
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的なこの行為をクローズアップしたいと思っています。 |
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(C)Fumie Wada |